評価基準を明確にすると、会社も社員も成長する好循環が生まれる

書評写真・評価基準

サラリーマンにとって、給与やボーナス、異動、昇進などに影響する人事評価はとても気になるものです。下手をすればリストラにかかわることもあるかもしれません。

ところが、あの人は評価され、なぜ自分は評価されないのか。そんな疑問や不満を持ったことがある方は少なくありません。重要なものであるにもかかわらず、納得ができないのはなぜか。それは評価の基準が曖昧であることに原因があるようです。曖昧であるがゆえに、評価する側の主観が入ってしまい、適切な人事評価は難しくなってしまうとのこと。

そこで「人事の学校」を主宰する人事コンサルタントである著者が提案しているのが「45のコンピテンシー」です。

コンピテンシーをひと言で説明すると、「欠かせない行動」のこと。この「45のコンピテンシー」で、新人、一人前、チーフ、課長、部長、役員という6つの各職位クラスに求められる行動や基本的なスキル、NG行動などを45段階で示しています。それにより、会社が求める人物像が明確になり、今すべきことや目標を知ることができます。

例えば、最も基本になる「コンピテンシー01」のクラスは新人で、“誠実な対応”がテーマになります。

“推奨行動

謝ることを恐れず、ミスしたときは素直に謝りましょう。そのほうが問題は小さくすみます。お礼をすることや謝ることは決して後回しにしないこと。いったことは必ず実行すること。実行できないときには、あらかじめその旨を伝えましょう。“

そして、各コンピテンシーを積み重ねることにより、最終的に高度な「コンピテンシー45」に辿りつきます。テーマは“信念“で、クラスは役員になります。

“推奨行動

自分の信念の背景にあるものは何か、自分が正しいと信じられる客観的な事実を積み上げ、自分の考えの根拠を見出しましょう。絶対に正しいと確信しときは、人の意見は聞いても、自分の意思で決断し、それが間違っていたら責任を取りましょう。“

これらの「45のコンピテンシー」は1つ1つクリアしていくものではなく、積み上げていくものなのだとか。つまり、「コンピテンシー45」に辿りつくためには、それまでのすべてのコンピテンシーを身に着ける必要があるのだそうです。

特に基本的なコンピテンシーは、社会人として納得できることばかりなのですが、明文化することにより曖昧さがなくなり、「やるべきこと」が明確になります。頑張りたい人がより頑張れ、正当に評価されるのは、企業にとってもよい方向に向かうのではないでしょうか。適切な評価制度を取り入れている会社の多くが業績を伸ばしているそうです。                         (中山寒稀)

 

人事の超プロが明かす評価基準

西尾太(著)/三笠書房