糖尿病は一生の付き合い。だから、「まだ、大丈夫」の時期が肝心

書評写真・糖尿病は早く治しなさい

本書によると、成人の4~5人に1人が「糖尿病が疑われる人」「予備軍」として糖尿病リスクを抱えているそうです。とても他人事として済まされる数字ではありません。さらに、糖尿病は発症してしまったら後戻りはできないといわれています。

そもそも糖尿病は、どうして怖いのか。実は、糖尿病は血糖値が上がることよりも、高血糖が続くことによる合併症が最も怖いのだそうです。しかも初期の糖尿病は自覚症状がなく、体の中で進行してしまうとのこと。代表的な合併症は、心筋梗塞、脳梗塞、足壊疽、網膜症、腎症、神経障害など。最悪の場合、合併症によって失明や血液透析、下肢切断。さらには命にかかわることもあるのです。

しかし、糖尿病になってしまったからといって絶望する必要はないと本書では提言しています。

“たとえ糖尿病になっても、血管がまだ傷んでない早い段階で、おそらく5~10年の間、しっかりと血糖コントロールや血圧・脂質管理を行えば、その後の血糖コントロールが多少悪化したとしても、20~30年先の合併症を抑制できる”

 “反対に、初期の段階から血糖管理が不良だと、それが記憶として刻印され、その後の血糖コントロールを改善しても消しがたい負の遺産(メタボリックメモリー)として残ってしまう”

つまり糖尿病と診断されたばかりの方は、早く治療を始めることによって、合併症を避けられる可能性が高いことになります。言い方を変えれば、合併症が起きてから対策をとっても遅いのです。

糖尿病合併症の黒幕は酸化ストレス、つまり「活性酸素」の過剰であるとしています。そのため、本書では、糖尿病発症をさけるために、「抗酸化生活」をすることを提案しています。抗酸化生活の中心は、「運動」と「カロリー制限」で、肥満を改善し、全身の細胞の活力を取り戻していくことが大切です。

抗酸化生活と言っても、それほど難しいことを提案しているわけではありません。運動は「運動によらない運動」を推奨しています。「エスカレーターではなく、階段を使う」「掃除機ではなく、雑巾がけをする」など日常生活に小さな運動を積み重ねていくことがよいのだそうです。

食事は食べ順に注意が必要になります。最初に5分以上かけてたっぷりの野菜を食べ、その後、肉・魚などの主菜を食べて、野菜を食べ始めてから10分以上たってから、炭水化物を食べるのだそうです。そうすることで食後血糖値の変動が抑えられ、血管内皮細胞のダメージを抑えることができるとのこと。

また、炭水化物は控えすぎもよくない、抗酸化サプリの飲みすぎはよくない、過激な運動は活性酸素を増やすなど、意外な事実も書かれています。

本書を読み、糖尿病は早期発見が大切だと感じました。まずは、健康診断に行き、自分の体の声に耳を傾けようと思います。

『糖尿病はだから早く治しなさい!』

稙田太郎(著)/廣済堂出版